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情報系高専生から物理学徒へ

やっと物理系になれた人のブログ

高専からの編入生について

以前から高専からの編入について何か記事を書きたいと思っていました.

ちょうど最近進振りが終わったようなので,高専についてやら編入のシステムやらを書きたいと思います.

 

高専高等専門学校の略で,5年間の一貫教育で大学工学部卒並の専門性を持った人材を育てることが目的の高等教育機関です.

中学を卒業後に入学することができ,卒業すると短大卒と同じような学歴を持ちます.

とても大雑把に言うと,5年制の工業高校のようなものです.

卒業後は,約半分が就職し,残りの約半分が進学します.

進学先の大半は国立大学工学部(特に技科大)と各高専の専攻科(2年間さらに高専に在学することで大卒並の学歴を得るところ)となっています.

実は,ほとんど(たぶん全て?)の国立大学の工学部では高専からの編入を受け入れているんです.

高専5年生のときに各大学が作成する編入試験を受け,それに合格すると来年度からその大学の3年次に編入することができます.

 

東大工学部でも,毎年約15人ほど高専からの編入生を受け入れています.

編入試験は数学,物理,英語となっており,数物に関しては大学初年度の範囲を含みます.

編入生に進振りはなく,受験時から志望していた学科の3年次に編入初年度から在籍することになります.

ただし,東大では「編入生は3年以上学部に在籍していないと卒業できない」という決まりがあるため,編入生は強制的に一年間留年することになります.

なので,「進振り先が決まっている2年生」とほぼ同じ状態となります.

2年次編入みたいなものだから楽ができるかというと,そんなことはありません.

東大は高専在学時の単位をあまり認めてくれないのです(涙)

初年度のSセメスターでは教養系の単位を集めなければならないのですが,これが編入生にとってはとても大変です.(多くの編入生は,英語一列・二列,二外8単位,生命科目,総合科目A~D8単位,総合科目E~F8単位,主題科目2単位をSセメスターのうちに取ります.キャップ制は適用外です.語弱はつらい…つらい…)

Aセメスター以降は進振りを終えた2年生と同じ感じで授業を受けます.

 

 

これで高専からの編入生の立ち位置が分かってもらえると幸いです.

なお,今年度の各学科の編入生の数の内訳は次のようになっています.

物工(私含む):2

計数:2

EEIC:4

機械系:2

航空宇宙:2

精密:2

建築:1

農学部:1(※来年度から農学部は編入生の募集を打ち切るようです)

Atoms & Scifuns の部誌Neo Neutrinoへ寄稿 & プレプリント

Atoms & Scifuns の部誌 Neo Neutrino へ寄稿しました.

内容は厳密対角化の手法の紹介が主となっています.

計算の対象とする物質は銅酸化物高温超伝導体と有機導体です.

需要が少なそうとか言っちゃだめです.

式はできるだけ丁寧に書いたつもりなので,手法の部分に関しては高専5年生(学部2年)でも十分追えると思います.

他の記事は素晴らしいものが多かったので,ぜひとも購入してみてください.

5月祭で売られるらしいです.

 

俺たちの卒研はまだまだこれからだ!

[1503.08291] Exact-Diagonalization Analysis of Composite Excitations in the t-J Model

Kernel Polynomial Method

スペクトル関数の計算法として,ランチョス法が有名です.

ランチョス法だとスペクトル関数を連分数展開して計算します.

このときの連分数の深さは100程度であれば大丈夫らしいですが,

精度についての詳細は正直よくわからないです.(単に調べが足りないだけだとは思いますが)

そこで,私はKernel Polynomial Method (KPM)という方法も使って,

ランチョスで計算した結果が正しいのかを確認しています.

 

KPMはこの論文に詳しく載っています.

[cond-mat/0504627] The Kernel Polynomial Method

ここでは,直交多項式としてチェビシェフ多項式を使っています.

 

大まかな流れとしては,

(1)チェビシェフ多項式展開できるようにするために,固有値とωの値が-1~1までの範囲に収まるように変数変換(具体的にはH'=(H-b)/a,ω'=(ω-b)/aと変換)

(2)スペクトル関数をチェビシェフ多項式展開

(3)それに補正(●● kernel)をかける

といった感じです.

私はランチョス法の結果と比較したかったので,(3)でLorentz kernelを選びました.

しかし,この論文に書いてあることを単に試しても,ランチョス法の結果と比較できるような結果は得られません.

これは,Lorentzianの裾の部分がなかなか0に収束しないことからきています.

 

δ関数に対してさまざまなkernelを適用した結果が9ページ目に示されています.

Lorentz kernelではx=±1のところで非零になっていることが分かります.

チェビシェフ多項式は重み付き直交関数系でして,展開の際に(1-x^2)^(-1/2)がつくので,分子の部分にx=±1付近で0に強く収束するようなものでないと変な値になってしまいます.

このことから,H'=(H-b)/aとしたときのaの値の定義を,4ページ目のaの値の定義よりも大きな値にして,固有値の分布をもっと狭い範囲に制限することで,原点付近に固有値を集める必要があります.

ただし,このときのaの値を大きくすれば大きくするほど,展開係数が0になかなか収束しなくなるので注意が必要です.

私が計算したときは,固有値の分布が-0.1~0.1の範囲になるように制限しました.

また,この固有値の範囲の制限は,Lorentz kernelの導出の際の近似でも効果を発揮します.

 

これらの内容は,前期の卒研の報告書中で詳しく書きました.

報告書:http://kie.nu/2ks4

ボスからは一度チェックをもらいましたが,二度目のチェックの結果をまだもらっていないので,間違いがある可能性は大いにあります.

 

KPMに関しては,日本原子力研究開発機構の永井佑紀博士からTwitterを通して様々なアドバイスをいただきました.

深く感謝致します.

最近の進捗

基礎力不足を実感する日々.

 

~ここ数ヶ月の進捗~

●プログラム関係

・2D t-Jモデルの一粒子スペクトル関数をランチョス法とKPMの2通りで求めた.(文献と一致)

・1D V-tモデルのカレント相関関数をランチョス法だけでなくKPMでも求めた.(文献と一致)

t-Jモデルのハミルトニアン行列はトータルS^zの等しい基底に対するハミルトニアン行列の直和にできるので,KPMを使えばその性質をうまく使えるはず.

群論を勉強すればたぶんもっと効率的に基底を設定できる)

 

●物理

線形応答理論を勉強.線形応答による光学伝導度スペクトルの計算がほとんど理解できた.

時間発展についての理解が甘い…

 

●数学

ルジャンドル多項式,球面調和関数,チェビシェフ多項式といった特殊関数について勉強.

KPMのkernelについてはまだ理解できていない.(ここが肝なのでは…)

 

●報告書

・一部書きにくいところと数値計算結果の考察以外は終了

ここからが長い…

 

●応用情報

なし.つまりは死.

空気抵抗がかかっているときの遠投

空気抵抗がかかっていないときは,地面となす角45度で球を発射すると最も遠くに届く.

では,空気抵抗がかかっていたら,最適な角度は45度より小さくなるのか,それとも大きくなるのか?

空気抵抗が粘性抵抗であるとき(空気抵抗が速度に比例するとき)について計算してみると,45度より小さい角度の方が最も遠くに届く.

数値計算で確かめるとしたら4次のルンゲ・クッタ法,手計算ではラグランジュの未定乗数法を使うと良いだろう.

慣性抵抗の場合を手計算するにはどうしたら良いんだろう・・・

東大編入試験一次試験結果

英語:351/500

数学:421/500

物理:247/300

 

英語が一番の不安要素でしたが、予想よりもとれてました。

意外と少し余裕があります。

数学は確率の問題の途中で時間がきてしまったのがおしいところ。

時間配分を誤ってしまいました。

物理は大問1の力学で死んだ(前半は仕方ないけれど、あろうことか後半の慣性モーメントの計算も掛け算を間違えていた)ので、失点の多くはそれだったと思われます。

 

第9回東工大化学勉強会

だいたい週一で東工大の化学対策の勉強会をしています。

今回は平成18年度の問題。

有機で複雑な反応がでてきてなかったので解きやすかったです。

この年は分子軌道法もでてきたのでテンション高めに解説しましたが、今考えるとけっこうきつかったかなと思います。